私の一回目の返事

姉ちゃんへ

 

お手紙ありがとう。

お母さんがお姉ちゃんに相談してるかもしれないとは思ってたけど、

一番肝心なことを言わないでどうでもいいことだけ伝えてることにびっくりした。

サイドビジネスなんて私自身とっくに辞めてるし、お母さんが断ったことなんて姉ちゃんの手紙読むまで頭の片隅にすらなくすっからかんに忘れてたほどどうでもいいよ。

そんなことで私が怒ってるみたいに姉ちゃんに言ってるって聞いて、ますます母の精神異常さを確信したわ。

 

私が幼稚園生の時、4歳か5歳の時にあゆみ幼稚園からの帰り道に酔っぱらいの中年男性に資材置き場に連れていかれてパンツを脱がされて私の局部にその中年男性の局部を数十分にわたってこすりつけられた。

私が泣きわめいたら「大声出したら犬来るよ」って言われて、犬も怖かったから声を殺して泣いてた。

10歳以下の記憶はほとんどないのに、あの資材置き場の風景とその男性の赤ら顔、されたことだけははっきり覚えてる。

家に帰って母に泣いて話したのに、母は私を病院にも連れていかなければ警察にも連れていかず、転んで泣いた時と同じ対応しかしれくれなかった。

 

カウンセラーの言う通りだと思ったけど、その時母が自分の出来るベストの対応を取ってくれていたら私の傷はここまで深くなってなかったって。

 

子供の作り方よりも先に「男には他人の人生を滅茶苦茶にしてまでも果たしたいほどの激しく汚らわしい欲望がある」と知ってからそのフィルターを通して世の中を知ったから、子供の作り方を知った時もみんなみたいにショックを受けなかった。

愛する者同士がする行為だと言われても「違うよ、男の汚い欲求を満たす為の行為だよ」としか思えなかった。

専門学校に入って彼氏が出来ても、相手はセックスしたがるけど私にとってセックスは怖くて汚らわしいものでしかなかったからしたくなくて、避けてるうちに別れることになった。

 

専門学校時代に姉ちゃんからもらった手紙に「付き合ってたら自然になること」と書いてあったのを読んで、同じ両親の元で育っても性犯罪の被害に合わずに育ってたらこんな普通の女性に育てるんだってショックだった。

 

専門学校の彼が特別だったのは、同棲して同じシングルベッドで一緒に寝てるのに一年半も我慢してくれたこと。

私のトラウマを理解してくれて、20歳や21歳なんて性欲の多い年頃だろうに、自分の欲求より私の人権の方を尊重してくれた。

この人ならいいじゃなくてこの人以外考えられないと思い、勇気を出して処女を捧げた。

処女を喪失してからも当たり前の様に求めたりはせず、ずっと私の心を尊重してくれた。

その専門学校の彼を失ってからは男性不信を増幅させる様な男ばかりがたくさんいることを知った。

 

基本的に現代の日本人男性は付き合ってるのにセックスさせないのは詐欺くらいの感覚の人の方が多い。

だからそのうち両想いになっても付き合わないという選択肢を取るようになっていた。

○君も待ってくれたし基本的にしないでくれたから年単位でおつきあいできたけど、最終的にはやっぱりセックスしたくて私との別れを選んだ印象だった。

 

○君と別れてから5年半くらい彼氏が出来なくて、時間が経てばトラウマも薄れるかと期待した。でも、性のトラウマは時間が解決しないことが弘との交際で発覚した。

 

セックスした後、痛くて痛くて、10日間くらい痛くてたまらなくて、次に会ったらまたセックスしなきゃいけないと思うと会いたくも好きでもなくなるという、○君と付き合う前のパターンがまた起こってたから、これは自然に時間が解決する問題でもないから覚悟を決めてカウンセリングに通うことに決めた。

 

何人おつきあいしてもみんなセックスするのが嫌で別れてたから今までも何度もカウンセリングに通いたいと思ってたけど、経済的に無理だった。でもこのトラウマはカウンセリングに通わない限り時間の経過では絶対に克服しないということが立証された今はもう、自殺しない限りあと何十年生きなきゃいけないかわからないのに、残りの人生恋愛なしならそれこそいっそ今すぐ死ぬ方がマシだけど、自殺だけは絶対にしてはいけないからとりあえずお金で治るなら、とカウンセリングに通い始めた。

性のトラウマが治るまではセックスは拷問でしかないからトラウマが治るまで恋愛はお休みしよう、と言われた。

セックスさせなきゃ付き合わない様な男なら要らないとも言われた。

私が痛くてたまらないのは、体も向いてないのではなくて、セックスされてる時に「怖いことされてる」って恐怖で緊張してるから体がこわばってるから痛くて当然だと言われた。

 

言われたこと全部その通りだなと思ったけど、一晩寝て冷静になっても同じ様に思うか様子をみてみようと思って一晩寝て起きても考えが変わらなかったから弘に「性のトラウマが治るまではセックスは拷問でしかないと言われた。まったくもってその通りだと思う。セックスさせなきゃ付き合わない様な男なら要らないとも言われた。それもまったくもってその通りだと思う。カウンセリングにどれくらいの期間を要するかはわからないけど、弘に迷惑を掛けるので身を引きます」とメールしたらそれに対して一言の返信もなかった。

やれないなら要らないってことなんだなと思って、そんな男ならこっちから要らないと思った。

 

それからお母さんに「なんで幼稚園にお迎えに来てくれなかったの?どうして警察に届けてくれなかったの?」とメールしたら「そんなこと今更言われてもあの時ママも若くてどうしていいかわからなかったし、警察に届けたら周りに知れていいことなかったと思うよ」という返信が来た。

若くてどうしていいかわからなかったって、35歳で若くてわからなかったらいくつだったらわかるんだよ、25歳とかならまだわかるけど、と思ったし、周りに知れていいことなかったって、幼稚園児に性犯罪の被害にあって恥ずかしいなんて概念がある訳ないんだから、周りに知られてでも警察に言うべきでしょう?周りに知れていいことないのは母が幼稚園児の娘をお迎えにすらいかない怠惰な母親だって世間に知られるのがいいことないって話だと思うと、世間体の為に娘のためにしてあげられるベストを尽くさないひどい母親だってことがわかるよ。

 

この間、8歳の女の子が性犯罪の被害にあったけど、親が警察に届けてその女の子の似顔絵が決め手でその犯人が逮捕された事件のことを知って、この女の子も私と同じく、「男には汚い欲望がある」というフィルターを通して世の中を知っていくのには変わりないけれど、親がその時に出来る限りのベストを尽くしてくれたことで親に対する信頼も深まるし、性犯罪の再犯率はものすごい高いけどこの犯人が逮捕されたことでもし逮捕されなかった場合には発生していたであろう、第二、第三の被害者もくいとめることができただろうし、この女の子のトラウマは私よりずっと軽く済むだろうと思った。

 

うちの母は世間体のために結婚して好きでもない男に体触られても平気で世間体の為に離婚しなかったくらい世間体が第一で生きてる人だから、自分の世間体のために娘を一生カタワにしたんだよ。

その上、私が中学一年くらいの時に、当時の家で父が私の入ってる風呂に入ってこようとするのも止めもしなかったんだから。

姉ちゃんも知ってる通り、あの家の構造上、私がお風呂に入ってることを知らずに誰かが入ってくるのはあり得ないでしょ。

私の推測だけど、父が「美穂と最近コミュニケーションがうまくとれないな、昔みたいに一緒に風呂でも入ろうかな」みたいな感じになって母が止めるどころか「そうしたら」と言ったとしか考えられないでしょ。

娘が性犯罪のトラウマがあるのをわかってたら普通の母親だったら「お父さん何やってるの!今美穂が入ってるよ!」って止めてくれるでしょ。

私は性的なことを早くから知っていたせいか小学校4年生でもう毛が生え揃ってたし胸も大きかった。逃げ場のないお風呂に父が入ってきたことはカウンセラーも性的虐待だと言っているし、25年以上経ってるのに許せなくて忘れられないほど私の男性嫌悪を助長させる事件だった。

母はペットの兎がさかってもケラケラ楽しそうに笑ってるし、テレビで紳助とかが下ネタばっかり言ってても父と二人で爆笑してる。基本的に性の意識が本当に低いのさ。

 

私は専門学校時代からセックス恐怖症のせいで男性とのおつきあいに半端じゃないハンデを背負って生きてきたけど、母が気がふれるくらいに罪悪感に苛まれるんじゃないかと恐れて30歳まで言わなかった。30歳の時に「私結婚出来ない。性犯罪の被害にあったトラウマでセックス出来ないから」と告白して泣いたら、母は一言「(性犯罪者は)ひどい事するね」と言って私関係ないと言わんばかりにどこか行ってしまった。

 

それから結婚結婚て言わないであげるようになったとか、過去のことを言われてもどうしてあげることも出来ないね、未来のことだったら気をつけることもできるけどって逆切れしてるだけなんだよ。

 

弘と別れた時に「弘とは別れたよ。セックスさせなくても愛してくれた専門学校の彼と○君以外はみんな同じ理由で別れてる。次会ったらセックスしなきゃいけないと思うと会いたくなくなって、会いたくなくなったら好きでもなくなって別れてる」とメールしたらその返信が、「弘君、結婚願望あって子供も欲しいから美穂といつまでも付き合ってても仕方ないと思ったんじゃない?」だよ。

日本語通じないにもほどがあるでしょ。

私のメール読んだら百人中百人がセックスしたくなくて美穂からお別れしたんだなってわかるでしょ?

この返信に激怒して何度メールをやり取りしても全部日本語通じない返事が返ってきて、最後に「美穂が結婚願望ないから悪いなんて思ってないよ。お母さんが悪くないなんて思ってないよ。美穂の人生を台無しにしたかもね、ごめんね」というメールがきて、私は母を傷つけたという罪悪感で泣いて泣いて止まらなかったけど、カウンセラーさんは、お母さんはそうしたら私が罪悪感でそうなることわかっててやってるよって言う。

世のお母さんっていう生き物は自分をかわいそうに見せて子供をコントロールする術を知ってるって。

 

そう言われたら、私は母がおばあちゃんにいじめられて恵子さんとかも遺産目当てで陰険だし仕事先でも顔面が曲がるほどのストレスで、三回分の人生くらいの苦しさを味わってるお母さんに更に美穂がお母さんがいじめにあってることの辛さで毎晩泣いてることを知ったら今以上の苦しみを与えることになるっていう母に対する思いやりから、部屋でこっそり泣くか、お風呂の中で泣くか、とにかくお母さんには泣いてるところを見せないように気を付けて、でも傷ついて傷ついて毎晩泣いてた。

それが勘当されても仕送りなくてもいいから実家を出た本当の理由だよ。

でも、私にもう少し思いやりが足りなくて、母の前で泣いてたら「美穂傷ついてるわ。弱いふりして美穂の愛情確認するためにいじめられてたけどやめよう」って、私がいるうちにおばあちゃんに対抗するのを始めてたかもしれない。

私が専門学校から初めて帰省した時に、お母さんが私なしでも全然おばあちゃんに対抗できてるのを見て、私がこの家出たの正解だったなと思ったけど、カウンセラーさんの言うことと辻褄あってるよ。母は「お母さんかわいそう」って美穂の愛情を向けられるためにわざといじめられて弱さを演じてたけど、美穂が家を出たらそのメリットがなくなったから自力で対抗し始めたって。元々出来る力があるのにやってなかったからだって。

 

カウンセラーに母の話をすればするほどどれほど母が異常かを冷静に知ることが出来てきていて、私は思いやりが多いおかげで性のトラウマのことも30歳まで母に言わないであげたのにいざ打ち明けてみたら母は自分の何が悪いかもわかってないほど罪悪感ないし、私が毎晩泣くほどつらい思春期を送って、専門学校の彼のおかげで人前で泣くことも再び出来るようになったけど、専門学校の彼と付き合うまでは人前では泣けないようになってたし、中学2年から不眠症なのも毎晩家庭の事情を考え事して泣いてたせいなのに。

 

この間母からメールが来て、点滴の漏れた跡が一年近く経つのに治らないだのもうすぐ70歳だのの話の後、「美穂とこんな感じでずっといるのは堪えられない、早く機嫌直して遊びにおいで、待ってるから。」で終わってた。

「機嫌直して」なんて、自分の責任で娘をカタワにした人間の選ぶ言葉じゃないでしょ?「機嫌直して」なんて表現は私がどうでもいいことでヘソ曲げて大人気ない態度取ってるような時に使う言葉でしょ。

このメール来る前から二度と顔も見たくないと思ってたのに、この「機嫌直して」っていう表現から母がどれほど私のトラウマを取るに足らないどうでもいいことと思ってるかわかったからさ、死ぬまで会いたくないわ。

 

私は激怒のあまり「死ぬまでカタワで男性とのお付き合いに大きすぎるハンデ与えられてあと何十年生きなきゃいけないかわからない方がよっぽど堪えられない地獄だよ。死んだ方がマシだ。自分が被害者みたいな言い方しないで。」と返信したからそれでまた姉ちゃんに泣きついたんだろうけど、私が何度この性のトラウマのせいで生きていく希望を持てないことを言っても理解しないと思ったけど、考えてみればそれも当然かも。

母は愛を知らないんだもの。

 

姉ちゃんがヒロさんと何年もラブラブで幸せで、私も○君と愛し愛されて幸せで二人とも年単位の交際がうまくいってる時に、勝手に私の名前で結婚紹介所に登録して、資料に載ってる男性達の顔写真と年収何百万っていうところに丸付けて送ってくるんだからね。

恋だの愛だの、飯食ってくのに一つの役にも立たないしょうもないことさっさとやめて結婚しろって価値観の人だもんね。

 

恋愛も愛も知らない母はかわいそうな人間でもあるけど、やっぱり精神異常だから私は関わりたくないよ。

普通の愛のある家庭だったら娘二人と母親はもっと仲良くて当たり前だと思うよ。

姉ちゃんがペットの兎の入院には二回も見舞いに行ったのに母の入院には見舞いに行かなかったって話とかを聞いても基本的に正しい愛情を受けて育ってないから仕方ないんじゃないとしか思えない。

娘は無条件で母親が好きだし、特にうちの母は自分をかわいそうに見せて娘の注意を引いて愛情を得るのが得意だったから姉ちゃんもお母さんの味方をしてるけど、冷静に色んなことを思い出してみれば母の異常さに思い当たるはずだよ。

 

カウンセリングで性のトラウマが治るかどうかはわからないけど、母の異常さのせいでうつ病にまでなるくらい対人の感覚がおかしくて苦しんでたのが、悪いのは自分じゃなくて相手だってことがわかってきて大分生きる感覚が楽になってきているから価値はあると思う。

 

一回50分で18,900円は高いけど、今まで被害妄想ですぐ落ち込んだり自分を責めたりしてたのが、こんな人ならこっちから願い下げとか私の人生に要らないとか、冷静な判断ができるようになってきている。

 

専門学校の彼が出て行った時に死ぬのが一番楽でそうしたかったのに、美穂の自殺がなくてもすでに人生三回分くらい苦しんでるお母さんの、美穂の自殺した後の残りの人生の責任取れない、と思って最後の最後で思いとどまった。

専門学校の彼と暮した間に今回の人生の幸せ全部使い切ったと思えるほど毎日世界一幸せだと思いながら生きてたから、もうこの先幸せなんてないだろう、ただ死んでないってだけで生命を維持してるだけの消化試合みたいな余生なんだろうなと思ったのに自殺しなかったのは母のためなのに、専門学校の彼が出ていったことを告げた時に母が吐き捨てる様に言った一言は「あんな可愛い子がお前みたいのと付き合ってるのが不思議だったんだよ。」 本当、死んでやれば良かったと思った。

 

弘と別れたのも私のメールを読めば普通にセックス出来ないハンデが原因だってわかるところを「結婚願望ないお前が悪い」呼ばわりでしょ。

そうやって、悪気はないけどなんでも私が悪いっていう言い方をする母親のせいで対人の距離の取り方や被害妄想で苦しんでたみたいだから、早く母から受けた傷によるトラウマや障害をなくしていきたい。

 

姉ちゃんは母よりは幼少期に性犯罪の被害にあって、世の中のほとんどをそのフィルターを通して知ってきたらどれほどセックスに対して嫌悪を抱くことになりそうかとか、現代の男女交際でセックスが出来ない人はほぼ土俵にあがれない感覚もわかってくれると思うから私がこれからの人生を絶望的に感じて母を恨む気持ちも少しはわかってくれるんではないかなと思う。

 

去年の5月には、朝起きた瞬間から夜、睡眠薬で眠りに落ちる瞬間まで自殺することしか考えられないほど絶望感に打ちひしがれて、普段の抗鬱剤に最終兵器と呼ばれる薬を追加してなんとか一命を取り留めたほど恋愛出来ない人生なんて地獄でしかないのに、自分が愛を知らないから恋愛出来ないことがそれがなんなの?大した問題なの?って理解出来ないにしても、姉ちゃんにサイドビジネスを断ったから怒ってるって相談するほど美穂の苦しみを1%も理解してくれないって知って驚愕だよ。

「これから先の長い人生、恋愛なしで生きなきゃいけないなら死ぬ方がマシ」って何回もメールに書いてるのに、日本語理解出来なくて頭おかしいからもう諦めてる。

この手紙を母に見せてもいいけど、多分何が問題なのか理解出来ないと思うよ。

 

とにかく今は顔も見たくない。

月一回通ってるカウンセリングが進んでいつか母に会ってもいいと思えるかもしれないしそうならないかもしれない。

母が私が母との連絡を絶っている原因をサイドビジネスを断ったせいかもしれないとか言ってるのが本当に信じられない。

 

姉ちゃんは板挟みになってつらいだろうけど、私が負ってるハンデを知ったら、それが人生においてどれほど絶望的なことで、だから恨まずにはいられない気持ちもわかってくれると信じたい。

 

これは長文でしか説明できなかった。

母がまた頭おかしいこと言ってたら姉ちゃんからも諭してあげて。よろしく。

姉ちゃんは愛のない家庭に育ったのに愛がいっぱいの人生を送ってくれててうれしいです。

いつまでも幸せにね。

 

美穂